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《ネタバレ》 1年だけ通った学校では毎朝"IN THE MORNING"が流れた。 だからあのメロディはしっかり頭にしみついている。 ビージーズの曲のイメージに合わせて撮られた美しい映像は監督ワリス・フセインのものだけど、脚本を書いたアラン・パーカーの映画でもある。 この作品のいいところは子供に理解のある大人なんて出てこないこと。 それも冷徹な描き方じゃなくコミカルに誇張されていて、ダニーのママとかラテン語の先生とかいいネ。 終盤のメロディの家庭は比較的真っ当な描写でしんみりとさせたりもするものの、基本的には子供の世界と大人の世界をわけてある。 マーク・レスターとジャック・ワイルドが「オリバー!」からスライドしてきたのを知ったのはずっと後になってで、気弱&悪ガキの元祖? ダニーよりトムが好きな人が多いかもしれないし、メロディ(トレーシー・ハイド)をいれたトリオの話になってる。 他の2人より年上のジャックは演技もうまくて、トムだけ自宅の場面が一人芝居、欠けたカップに生活感がにじみ出る。 ダニーはヌードの絵を描いてママをあわてさせ、ギンガムチェックの制服がかわいいメロディは一見優等生のようだけど、ママの服と交換して金魚を手に入れる大胆さもある女の子。 "MELODY FAIR"は音と映像がマッチして一番素敵かも、音楽映画といってもいいくらい。 ロウアー・ミドル・クラスのダニーとワーキング・クラスとおぼしきトムやメロディの階級の違いもそこはかとなく出ているけれど、彼らのつながりには意味をなさない。 音楽室、墓地、メロディの家でのティー・タイムなど好きなシーンがいっぱいある映画。 彼らが走りだしたのは何十年も前のこと、映画の中ではあのトロッコは終着点もなく自由めざして走り続けるんだろうと思う。
【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-10 07:00:00)(良:3票)
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