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《ネタバレ》 最後の演説をぶつシーンは確かに胸を打つものですが、同時にここが最も〝映画〟からかけ離れているとも思います。まして漫談ではなくドタバタ喜劇で笑いをとるチャップリンにとっては言葉など無用だったはずで、ヒンケルのデタラメなドイツ語もただの音でしかありません。しかし、演説シーンが異質だということを天下のチャップリンが承知していない訳がなく、あの時のチャップリンは理髪師ではなく当然ヒンケルでもなく役柄を捨て去ったチャップリンその人に見え、つまるところ映画は演説の前で終了してしまっているようにも見えます。 あの言葉不用で人々に感動を与えてきたチャップリンが、わざわざ明確な言葉にしてまで発した叫びは、心底伝えたかったメッセージなのでしょう。寡黙な者の言葉は強く心に残るものです。 ・・・ということで演説は抜きにして、私の一番好きなシーンは首の動きだけで軍隊の行進を表現し笑いとってしまうところです。
【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-19 18:25:19)
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