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《ネタバレ》 最初に言っておきますが、私は33年のオリジナル版の大ファンです。ですから純粋にではなくどうしても比較しての観点になってしまいます。まず何より一番気になるのは、アンがコングに情を通わせることです。これは過去のリメイク作から始まったことですが、オリジナル版ではアンはコングを終始恐怖の対象としてしか見ず叫び続けます。つまりコングの味方は誰もいないのです。それが孤高の王者コングの怖さや悲しさを際立たせていたのです。次に、やはり長い。オリジナル版はそれこそドリスコルが最初に書いた15ページの脚本のようにセリフが少ないのです。でもそこには無駄を省いた簡潔さが存在するのです。まさに言葉なんていりません。それからいわゆるオマージュが逆に気になりました。例えば倒したティラノサウルスの口をパクパクさせるシーン、オリジナル版では倒す度に敵の死を確認します。それがコングの用心深さや執拗さの表われとなる訳ですが、本作ではただのワンシーンにしか見えません。また「美女に殺された」という最後のセリフもオリジナル版と所々違うので、重みが感じられなく取って付けたような感じがしてしまいました。なんか文句ばっかりになってしまいましたが、もちろん良くなったところもあります。それはストップモーションより自然な迫力満点のコングや恐竜たちです(欲を言えばコングとティラノのバトルはアクロバティクではなくオリジナル版同様、差しの勝負が見たかった)。
最後に、ピーター・ジャクソン監督は33年のオリジナル版が大好きだと聞きました。確か劇中にカール・デナム監督を称して「愛するものを破壊せずにはいられない男」というセリフがありました。これはジャクソン監督が自身に向けたものではないでしょうか。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-12-20 00:10:54)(良:2票)
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