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本当に60代後半なのかと思ってしまうほど色気が漂うパチーノとキレイなお姉さんが何人も出てこなかったら映画ではなくてTVなのでは?と疑ってしまうくらいの出来だと思います。何しろ印象的なシーンは皆無に近いですし、88ミニッツと題されているにもかかわらず時間制限が全く感じられない差し迫った緊張感の無さはかなり問題です。
そして、この作品の消費的な感じは非常に現代的です。内容はもとより、展開の目まぐるしさからくるスピード感、題材の割りにポップコーンムービーのようなお手軽さ、ときどき挿入される音楽もヒップホップ系とあらゆるところで現代に徹しているのです。加えて現代社会の必需品である携帯電話が大活躍するのですが、ケータイの通信機能というものは映画的ではないと思うのです。例えば据え付けの電話だったら〝呼び出される〟〝かけに行く〟というような電話自体の存在や、それに伴う行動がしっかりあるわけですが、ケータイはボタン一つで何時、何処でも使えてしまい面白味に欠けるのです。さらに本作ではせっかく一つ壊しても別のものがすぐ手に入ってしまうとこまで現代らしいときています。ケータイに限らずパソコンなどの現代機器は映画のストーリーを複雑化するばかりで、ワンタッチで何でも可能になってしまう簡単・便利さというのは映画には適しておらず、巧く使うのは難しいと感じるのです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-03-26 18:16:38)
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