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《ネタバレ》 これは「男性の人生における義務との関係」について描いたものだと思うなあ。
ドンはバカではないのに無気力。朝からTVの前に座って、ジャージ姿でボー。 なぜならドンというのは「しなければいけないことがない」男なのである。 ジャームッシュの認識では、「男性は義務がないと何もしなくなってしまう動物」であるのだと思う。 そのために、「しなければいけないことだらけ」で「義務が山積み」の隣人ウィンストンを登場させるのだ。ドンと同じような隠居老人とか、親のスネをかじっている生意気ティーンエイジャーとかではなしに。 「しなければならないことがない」ので、伸びきったゴムのようになっているドン。これぞ、普通の男性の姿、とジャームッシュは思っている(らしい)。 ネタばれるけれど、最初のピンクの手紙を書いたのは、ウィンストンであり、その理由は、煮え切らないドンにプロポーズをさせたいシェリーの相談に乗って、作戦を立てたからである。 そして、ドンが旅から戻った頃に都合よく届いたシェリーの手紙は「やっぱり愛してる」だから、これも作戦どおりなのである。そこでウィンストンは、「さあ、シェリーにプロポーズしろよ」と一気に盛り上げるつもりだった。しかし…それはドンに見抜かれてしまった。 姑息な策に頼って人を騙したりしても、やはりいい結果は生まないのだ。人生ってそんなもんだ。 さて、一連の出来事を通過したドンに、「しなければいけないこと」は発生したのだろうか…と、ジャームッシュは問いかけて終わるわけだ。やはり、「男と義務」についての話だと思う。しかし、全体としてはパンチ不足でぬるい感じは否めない。 ウィンストンの奥さんがよかったですね。あれはまさしく、女の幸せを全うしている人の微笑みである。 シャロン・ストーンの魅惑の微笑は健在で安心した。とって喰われそうだ。 ティルダ・スウィントンの別人ぶりには驚いた。だって、エンドロールを見るまで、どこに彼女が出ていたか分からなかったのだもの! 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-06-29 15:34:27)
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