普通の人々 の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想

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普通の人々 の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 普通の人々
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1981-03-21
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。
兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。
その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。
カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。
みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。
彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。
そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。
私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。
彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。
誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。
この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど)
パブロン中毒さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08)(良:3票)
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