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《ネタバレ》 なんともパンチに欠ける。
息子役の俳優さんに存在感が足りないかもしれない。 存在感のない人が中盤で居なくなっても、他人である観客にとってはべつにどうということはない。家族が泣いているのを、「なんでそんなに泣いているのかな」と思ってしまう。悲しみを盛り上げるためのせっかくの棺桶シーンの演出なども、「今撮影中です」といった感じすらしてしまう。 この内容で、見る者の心に何かを残すには、息子とのエピソードに工夫が無さすぎる。アンモナイト?ランニング?それが何? 何かこう、50M先から見せられているような登場人物たちとの距離感を感じる。私がイタリア人じゃないからだけではなかろう。外殻をなぞっている感じがするのだ。ナンニ・モレッティの演技も抑えすぎている。分析医の仕事を放り出すほど悲しく苦しいのでしょう。それはいったいどこに描かれている?大声で泣けといっているのではない。他にも描き方はあるはずだ。 ラストで現れたアリアンヌは、新しいボーイフレンドと無銭旅行のついでにタカりに来たのだった。たった1回会ったことのあるだけの男の子が死んだとて、打ちひしがれるほど悲しいわけがない。 そのことを知っても、怒る気力さえなく、「息子の死は両親にとってはこの世が終わるほどの苦痛だが、他人にとっては単に誰かの〝死〟でしかない」という事実をかみしめる両親。同時に「息子はもういない」ということも。アリアンヌはこのことを思い知らせるために登場させられたのですが、こういう展開はどうも私の趣味ではない。「再開を待っています」と言ってくれた患者に加え、もうひとつくらい明るいマターが欲しかった。本当に子供を亡くした方は、この映画は見ないほうがいいと思う。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-09-18 19:37:03)
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