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《ネタバレ》 僻地に移り住んだためスカパーを導入し、勝手に選択して提供される作品を決まった時間に見るのもなんだかなあ、の日々を送っていたところ、ある日ポランスキーについての説明を30分放送したあとコレを放送した。
なんでもポランスキーというのは、ポーランドのユダヤ人であったため、両親とも死に別れ、幼少のころから大変な苦労を重ねたうえ、衆知のとおり狂信者に妻を殺されるというひどい目にまで遭っている。これで、明るく屈託の無い性格になるとしたら、相当鈍感な人間だろう。 「ナインスゲート」については、レンタル解禁当時に見た記憶があるが、乏しい記憶をいくら辿っても、「ケッ」という感想しか出てこなかった。 今回何の気なしに見てみると、その映像の美しさに感心する。画に隙がない。ような気がする。 リアリティ、というのが若いころのポランスキーの売りだったそうだが、それを念頭に見てみれば、随所にそれが見られた。ような気がする。 本作では、ポランスキーの特徴である(とされる)「疎外感」というものも、「英語圏外」のロケーションであることで強調される。このへん「フランティック」を思い出す。 コルソ本人がはみ出し者であることや、「自分だけが蚊帳の外」で周囲の人間はそれぞれの思惑で勝手に動いていくところも、そうである。 古書を眺めつつやたらと酒を飲み、タバコを吸うコルソが、メガネが割れたりして翻弄される様子などを、ほのぼの見るのがいいのではないだろうか。(なんか古文の訳のようでヘンだなあ。) 私には駄作なのか映像美だけを追求した結果なのか、よくわからない。ポランスキーはムラのある監督なのだそうだ。確かに「ローズマリーの赤ちゃん」を超える作品は見ていない。 ただ、映像美を追求しすぎたのだとしても、「リンチよりはマシ」というのが素直な感想だ。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-11 16:48:08)
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