| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 何度も見ている大好きな作品です。はやらないラーメン屋を再建する話をメインにして、役所広司と黒田福美がホスト役。その間に食べ物にまつわる話を入れ込んだ設定。伊丹さんは、ラーメンストーリーよりも「食にまつわるエッセイ」の方が描きたかったのではないかなあと推測しています。その中でも一番のメッセージは「エロティックな食物たち」かなあ。いろんなシーンでそれを表現していますが、私が一番感じたのは、原泉おばあちゃんが津川店長と追っかけっこする場面(いつぞやのテレビ放映ではカットされていた)。カマンベールをグニュ~、桃をグチュグチュ、お汁がピュッってシーンです。ああ、食べ物はエッチなんだと理解したのです。エンディングの公園での授乳シーンの意味が最初見たときはわからなかったけど、何度目かに見たときに「ああ!母乳が生まれて最初の食べ物なんだ」とわかったときは嬉しかったなあ。一つ一つのシーンがとても丁寧に撮られていて、本当に美味しそう。食物の周りの人間心理もうまく描かれています。伊丹映画の中で一番好きな作品です。最後に大好きな台詞をご紹介。「だっておじさん、ラーメン食べるのはそのド素人なのよ。素人にわからない味のラーメン作ってどうするの」
【ひよりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-05-21 17:15:15)(良:1票)
ひよりん さんの 最近のクチコミ・感想
|