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《ネタバレ》 勢いで9点。まず、160分という長さはさほど気になりませんでした。アルマシーの現在と過去の回想も違和感なく切り替わります。そして物語はエンディングに向かって一点に結像してゆきます。構成は大変うまくいっていると思います。オープニングも良い感じです。筆で描かれていく泳ぐ人の壁画の絵が、砂漠の砂紋の素朴な美しさと重なってゆくオープニングもいい感じです。ストーリーも、重症のアルマシーがハナの看護で死を前にして次第に記憶を取り戻し、キャサリンの最後の日記(遺書)の朗読を聞きながら死へと旅だってゆく。壮大な砂漠を背景にした、悲しい恋の物語です。記憶を取り戻す立会人となるビノッシュもオスカーにふさわしい、主演であってもいいような演技です。残念なのはアルマシーとキャサリンの恋のリアリティを十分に描き切れていないということです。キャサリン役のスコット・トーマスが主演女優と言われてもぴんと来ないのです。多分、回想の部分を細かく寸断しすぎたのではないかと思います。二人の恋があって、このストーリーが成立するのですから、その点が残念ですが、映画という媒体の持つ特性を十分に生かした作品で、また観てしまうと思います。
【ひよりん】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-02-24 21:19:15)
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