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《ネタバレ》 映画ファンの我儘で大変申し訳ないが、私は名優渥美清の俳優人生を『寅さん』で終わってほしくはなかった、と考えている。彼にはもっと演じて欲しい役があった。「拝啓天皇陛下様」「泣いてたまるか」で片鱗を見せていた人間の持つ負の面を演じている作品、または「キネマの天地」ではなく、「ライムライト」の様な本格的に彼の芸歴・演技の幅を堪能できる作品、もっともっとスクリーンで拝見したかった。だからこの映画が渥美清の遺作となったのは残念だ。ただ、違った角度から考えると『柴又伝説』の着地点としては(関係者からすれば無念とは思うけど)良かったのではないか。今日も日本のどこかで、空っ風と共に彼は生きている。時にきれいな女性にグラッと来て、余計な親切心を振りまき、義侠心に溢れ孤独に耐えている。なによりも柴又には彼の事を想っている家族や仲間がいる。島には同士の女がいる。これをファンに見せる事が出来た、本当に駄文になってしまうが「彼は私たちの心の中に生きている」という事を認識できただけで充分ではなかったか。最後にこのシリーズを取り巻く全ての関係者への挨拶として、お疲れ様の言葉を贈りたい。
【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-02-24 14:51:39)(良:1票)
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