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《ネタバレ》 今年度の「午前十時の映画祭」で一番楽しみに
してたの、もしかして本作品かもしれない。 人生初のハリーハウゼン、劇場体験というポイントで+2点。 個人的に好感が持てるのは、映画の肝がハリーハウゼンの特撮 である、と認識した上で演出/編集/音楽等がそれを盛り上げる為 のフォローを惜しまなく実行している事。モンスターの行動に対して いちいち演者がリアクションをするカットを律儀に入れていたり、 おどろおどろしさ溢れるベタな音楽もスクリーンで聴くと心地よい。 常日頃から「ハリーハウゼン=文楽(歌舞伎)」説を主張し 私は友達から馬鹿にされているのだが、あえて力説しておきたい。 彼の造形したモンスター類はモデルアニメなので、滑らかな 動きを要求される。この作品自体、ストップアニメの撮影等で 2年の年月をかけて(特にラストの骸骨剣士×7体とのバトルは 4ヶ月かけたそうな)るのはそういった自然な動きを求めてのもの。 ただ彼のモデルアニメの演出には決まって「溜め」の動きがある。 プラスチックのモデルに命を吹き込む作業として彼は、実際の 動植物の動きを参考にし、クリーチャーが動く直前のコンマ秒を 「溜め→瞬発→起動」の流れで撮影してる、そこに「藝」を感じる。 そしてそのワンテンポ留まった瞬間が私にとって文楽や歌舞伎の 「見得を切る」仕草に被るのだ。後世に残るだけの映像作家っぷり。 今回劇場で拝見してヒュドラの顔(7つ首)がそれぞれ表情が異なる 細やかさ、あと骸骨剣士の持っている盾や刀、槍の造形の違い あとタロス像の間抜けっぷり(笑)がより堪能できたのも好印象。 さあ、そこな映画ファンの皆様、 劇場に足を運び心の奥底から叫ぼうではないか、 「よっ、ハリー、千両役者!!」と。 てか、おじさんには最近のCG表現の乱雑ぶり、疲れるんだよな...。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2023-08-04 19:22:07)
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