悲情城市 の Nbu2 さんのクチコミ・感想

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悲情城市 の Nbu2 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 悲情城市
製作国台湾,
上映時間157分
劇場公開日 1990-04-21
ジャンルドラマ,歴史もの
レビュー情報
《ネタバレ》 初見時(ロードショー公開:私は浪人生)「何でこれがキネ旬1位なのか...さっっぱりわからん」だったこの映画、評価が変わったのは20代になって中国/台湾の人と仕事で付き合う様になってから。・同じ台湾人なのに台湾語を好んで喋る人もいれば、全く喋らない(喋れない):標準語(北京)語のみ喋る人がいる。・中華思想を礎とする台湾人:国土である台湾も中国の一部なのに頑なに「取り込まれたくない」台湾人の感覚が中国(本土)人はわからない。・他のアジア圏の日本人に対する初見時の反応と比べて台湾の親日ぶりは、ある意味異質。この作品はそういった疑問:戦後史なんて禄に勉強しなかった自分にとって「映画によって世界を知った」1本。台湾現代史をグダグダ書いても仕方ないのでここは皆様調べてもらいたいのだけど、ポイントとしては「敵であった中国人同士が統治をしなければならなかった悲劇」であり、「日本の植民地統治が台湾本省人(戦争前から台湾に暮らしていた人達)にとって外省人(中国国民党の台湾移動に伴い、中国各地から移住してきた人達)から迫害される原因の一因になってしまった」事。ホウ監督自身は「日本を糾弾するつもりは全くなく、80年代までタブーであった題材を撮れる様になったので作品にしてみた」とコメントを出してるけど、戦後40年経って、現代台湾の混乱を招いた原因の一因に日本の植民地支配が有った事を始めて白日の下にさらした作品だから、そりゃぁインパクトはあるよなと今は思ってる。 映画としては歴史上の事件そのものが描かれている事は全くなく、ただある一族:四兄弟の生活に影響を及ぼしてゆく情景を映し出しているだけ。ただ各シーンを注視してみると実は深い、深ーい内幕が描かれていて胸にくる。(個人的には2・28事件において、弾圧の選別基準となったのは「台湾語/日本語をしゃべるかどうか」だったのがショック)あと香港人のトニー・レオン、この当時は広東語オンリーで標準(北京)語が喋れなかったので口が利けないという設定にしたらしいのだけど「目は口ほどに物を言う」彼、妻となる女性と筆談でやり取りを交わしそのシークエンスのみ字幕表記になるところ、卓越した演技力で私にとって好きな男優になりますた。(だからこそラストの家族での写真後降りかかる悲劇が切ない) MCUユニバースでマンダリンやってるよ、て当時の俺に言ってあげたいよ、ほんとう。2・28事件と台湾近代史の勉強が必要と思うので少々ハードルは高いけど、機会があればって...だからなんでDVD廃盤+現時点でサブスクも無しなのさ、んとうに。長文失礼しました。
Nbu2さん [映画館(字幕)] 8点(2023-05-10 21:17:27)
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