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《ネタバレ》 悲惨すぎる現実を受け止められなかった姉の心。本作は彼女の心が作り出した妄想の物語…なのでしょうか。姉の心が、事実とは違う「後妻が妹をいじめ、挙句殺した」という筋書きをつくりだした。妹を救えなかったことに対する“自己嫌悪”。母を死に追いやった、妹を見殺しにした後妻(当時は愛人)に対する“嫌悪”。悪いのは自分であり後妻。だから姉と後妻が同一化した。姉(ときに後妻)の視点で描かれる物語の大半は、オカルト的な出来事も含め、全て姉の心が作り出した幻との解釈も可能です。現実にあの家にいたのは父と姉の2人だけですから。しかし叔父さん夫婦(妻のほう)と本物の後妻は見ています。ヌルリとした女の姿を。“少女”という表現から、正体は妹の霊。助けてもらえなかった恨み。というより自身の死が理解できないと言ったほうが正しいかも。「スヨンは死んだ」という父の言葉で絶叫する妹。母の自殺にその巻き添え。哀しすぎる現実を、生ける者も死せる者も受け止められなかった。哀しすぎます。なお、キーアイテム「箪笥」をことさら意識させない演出はスマートだと思いました。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-26 18:58:56)
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