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《ネタバレ》 本作は倫理に反する者ばかり出てきます。彼女がいても他の女と平気で寝る男。彼氏の留守中に他の男とキスしてしまう女。教授でありながら学生に想いを寄せてしまう男。そして劇中劇の殺人犯。一義的には“禁を破るとろくなことが無い”と言えそうです。結末はみんな哀れ。さらにもうひとつ。「禁じられた行いをあえて経験してみたい」。殺人犯と女に共通する心理。倫理より自己の欲求を優先させること。でも現実に倫理に背いても、残るのは虚しさや後悔だけ。女にいたっては、過ちを自ら彼氏に告白する始末です。禁じられているのには理由があります。導かれるのは、“所詮人間は倫理(ルール)に縛られて生きている”ということ。(その最たるものが“人を殺してはいけない”。だから劇中劇とはいえ、ラストの殺人シーンは心を逆撫でします。)人間の性(さが)が表現されている気がしました。なお、映画を含め、文芸関係のタイトルや作家名がわんさと出てくるので、そういった素養の無い自分にはチンプンカンプン。タイトルどおり、カミュなんて読んでないし、本作を理解する上でキーとなる「実存主義」が何たるかも説明出来ません。教養は大切だと思いました。実際、カミュを知らなくても生活には困りません。でも人生を楽しむうえで損をしているのは確か。もっと本を読むなどして教養を身に付けたいと思いました。自分の知識の無さを痛感したことが一番の収穫でした。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-20 17:47:20)
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