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《ネタバレ》 怪獣出現からロボット兵器開発に至る一連の流れを、本編導入のプロローグとしてさらりと処理したのが上手いと思いました。何故なら人型巨大ロボットを開発する必然性など、どう考えても無いのですから。つく必要のない嘘はつかない方が上品というものです。ロボットのデザインがダサいのも、ロケットパンチが飛んでいかないのも仕方のない道理。“もしも巨大ロボ兵器を開発したら”というシミュレーション感覚が発想の基礎にあったと感じます。それも科学的検証に耐え得るものではなく、子供の想像や憧れを拠り所としているのが素晴らしいのです。某『空想科学○本』で実用性が一蹴されている頭部コックピットを採用し、操縦システムは『エヴァンゲリオン』や『六神合体ゴッドマーズ』と同じ精神感応式。しかも右脳と左脳でパイロットが役割分担までする拘りぶりです。この操縦方式は怪獣の脳へアクセスする技術にも使用されており、物語を構築する上で欠かせない要素となっていました。サイエンス・フィクション+ファンタジーの世界観。最低限のリアリティを担保していたところに、人型巨大ロボットの“浪漫”があったと考えます。味方ロボが次々と撃破され、主人公機も傷だらけになっていく終盤戦は、和製ロボットアニメ最終回定番の様式美と呼べるもの。そそられます。ただ残念なことに本作はアメリカ映画だったんです。『アルマゲドン』や『インディペンデンス・デイ』と寸分違わぬ結末にズッコケました。人類滅亡の危機を退けただけで大勝利なのに、それでは足りぬとまだ勝ちを重ねます。主役がハッピーじゃなきゃ、ハッピーエンドとは言えないんですね。何というか、“慎み”ってものがありません。『ザンボット3』の爪の垢(いやロボットだからエンジンオイルかな)でも煎じて飲ませてやりたいくらい(笑)。でも、これだけ楽しませてもらえたなら、文句を言う気も失せてしまいます。些細な粗など問題にもならないでしょう。やっている事は『トランスフォーマー』と同じでも、視認性の高さは格段に上。劇場観賞で大正解でした。悪い事はいいません。映画館に行かないと損ですよ。アムロやシャア少佐、綾波レイ、コンバトラーVの葵豹馬など、日本ロボットアニメ史を彩る豪華声優陣を起用した日本語吹き替え版もおすすめです。
【目隠シスト】さん [映画館(吹替)] 9点(2013-09-21 18:29:08)(良:1票)
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