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《ネタバレ》 役所と風吹がリビングを行き来する場面。霊が映り込むでも、恐怖を煽るBGMが流れている訳でもありません。でも無性に不安になる。役所が動く度に画面にリビングの鏡が映り込みます。たったそれだけなのに気が気じゃない。西日が差し込む部屋。陽の光が作り出す陰影。生ぬるい空気感が、自分以外の存在を喚起させる。でもだからといって、何が出てくるのでもありません。結局のところ“恐怖”とは、自分の心が創り出している事がよく分かる。経験や知識を拠り所とする内的要因です。観客の内にある“恐怖の素”を引き出すのが、黒沢監督は抜群に上手い。裏目を引き、堕ちていく夫婦の姿が恐ろしいのも同じこと。主人公夫婦と同じ過ちをしかねない自分自身に怯えるのです。オカルトの要素は無くても問題なかったでしょう。初出のTVドラマでこのクオリティには恐れ入ります。良作。
【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-04 22:09:59)(良:1票)
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