| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 映画館で子供達が「フランケンシュタイン」を観るシーン。普通子供ならば、フランケンシュタインの姿に恐怖する事が想像できる。
しかし、この映画においての子供達の映画を観る眼差しは真剣である。そして、アナはイザベルに何故フランケンシュタインは少女を殺し、自死を遂げたのか尋ねる。 フランケンシュタインとは自らの実存を問い苦悩する存在であり、そんな彼にアナは恐怖ではなく本能的に思いを馳せ、境遇に共感をしていたのではないか。 小さな子供ですら、無意識のうちに実存を問わなければならない状況。子供が子供として生きられない世界。 それが置かれている状況を全て物語っている。 そして作品全編にまとわり続ける、死の匂い。日常と常に寄り添い続ける死。 ベッドで寝る母を執拗に捉え続ける長回しは、愛の不在と疲弊も映している。 戦場ではなく、日常を淡々と映すことで状況の異常性を映像で語り、何も語らない子供の目線は他の何よりも多くを語り身に迫る。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-06-30 18:45:07)
ちゃじじ さんの 最近のクチコミ・感想
|