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レビュー情報
《ネタバレ》 ダルトン・トランボは赤狩りの被害に遭った不運な時代を生きた脚本家だ。彼は映画界を事実上追放されてしまったが偽名などにより活動を続けていき、逆境にも負けず優れた作品を輩出していった。彼の作品の多くはどこかそんな執念を感じずにはいられない作品ばかりだが、しかしその中でもこの『ローマの休日』は異色の作品だろう。彼の当時の状況から考えてもロマンティックなラブコメディは到底考えられない。しかし彼は書いている、人々の中にある大切なもの、希望、そして平和への思いを。ラストシーン、王女が握手を一人一人にしていく場面ではトランボの想いが伝わって目頭が熱くなる。この作品は公開50周年記念のデジタル修復版ではトランボの名前に変更されクレジットに映し出される。それを見て感極まる人間は私だけではないはずだ。
【きいろのくじら】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-25 23:03:12)(良:1票)
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