続・菩提樹 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ソ行
 > 続・菩提樹
 > なんのかんのさんのレビュー
続・菩提樹 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 続・菩提樹
製作国西独
上映時間87分
劇場公開日 1959-08-14
ジャンルドラマ,戦争もの,シリーズもの,ファミリー,実話もの,音楽もの
レビュー情報
『サウンド・オブ・ミュージック』では見られなかったトラップ・ファミリーの「その後」が見られるという楽しみはあるが、映画としては平板でも一つ面白くない。安下宿の裏手で「オールド・ブラック・ジョー」を歌うシーンが一番良かった。興味を引いたのは「戦勝国アメリカを旅するオーストリア人を描いた敗戦国ドイツの映画」という屈折。同じ敗戦国として、なんか感じるものがある(日本映画ではアメリカロケって、いつごろから出来たんだろう)。一生懸命彼の地でがんばって、故郷に似た土地に家を得るまでの苦闘。しかし歌はいつも折り目正しく、アメリカに媚びたりしてない。オールド・ブラック・ジョーもオー・スザンナも、バッハやパレストリーナと似たトーンになる。セックスアピールが必要と興行側に言われても、尼僧姿を選ぶ。出来るだけヨーロッパ風・聖歌風で押し通そうとする。そこに敗戦国の意地が感じられた。といってニューヨークの摩天楼には素直に感嘆を示し、アメリカ文化を卑下するわけではない。屈折はあるのだが、それに拘泥せず前向きなのがよろしい。前向きにならざるを得ない状況だったけどね。これを撮影していた映画人にも屈折はあっただろう。戦前はドイツ映画はアメリカと肩を並べていたのに、いまでは青息吐息。その戦勝国をドサ回りしている映画を何とか撮っている。同じ敗戦国のイタリアや日本は、50年代に黄金期を迎え映画祭などを賑わしていた。屈折するなってほうが無理。でもドイツ映画の没落は、敗戦が原因というより、ナチスの存在でユダヤ系映画人が逃げ出したことの方が大きかった。ああいうことやると、回復困難な致命傷になるんだよな。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-16 12:19:56)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
続・菩提樹のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS