アウトレイジ(2010) の よーちー さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アウトレイジ(2010)
 > よーちーさんのレビュー
アウトレイジ(2010) の よーちー さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アウトレイジ(2010)
製作国
上映時間109分
劇場公開日 2010-06-12
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,犯罪もの,ヤクザ・マフィア,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 文字通り、恐ろしいものを観たという感じ。やっぱりバイオレンスは苦手だ、劇中5割は薄目状態だった(無論ストーリーがわかる程度には開けているが)。とかく非道で下劣。魂やら仁義やら、竹内力のVシネマみたいな、私が勝手に信じていたジャパニーズヤクザの美学みたいなものはこっぱ微塵である。ちなみに「全員悪人」というテーマだが、それでも共倒れせず、最終的には勝者と敗者が提示される。武道派より知能派が強いというのは結構分かりやすい構図で、生き残るメンバーに意外性はそんなになかった。そしても一つ残念なのは、そうそうたる俳優陣なのに、それぞれのキャラクターが役者さんのイメージを大きく外れていないこと。例えば、今や草食系なんていうありがたくない肩書きが定着しつつある加瀬亮のインテリヤクザもファンからすれば今更感あるし。腕のある役者さんを揃えてるぶん、配役はもうちょっと遊んで欲しかったかなと欲張ったコメントをしてみる。ところで、映画のジャンルとしてアクションやバイオレンスは殆ど観ない私だが、以前たまたま観た「レザボア・ドッグス」は屈指の名作だと思っている。本作も北野監督こだわりの暴力描写にはオリジナリティがあり(歯医者でグチャグチャの発想は純粋に驚いた)、逐一派手だが、「レザボア~」のグロいけどスタイリッシュというギリギリラインを狙った攻撃性のほうが個人的には好きだな。とにかく大画面でのイタイイタイ感じが私にはちょっと刺激が強すぎた。そんなバイオレンス・ビギナー(要するにただの怖がり)な私なりにこの映画の美点を挙げるとするなら、陰惨な暴力映画なのに、何か可笑しく、何かダサいことだ。悲劇と喜劇という一見相反する要素が同時に成り立つというのは何時でも人生の真理というわけではなく、チャップリン然り、やはり見せる側の才能なんだと思う。初日舞台挨拶のとき、北野監督は某納棺師を題材にした映画をネタにジョークを飛ばしていたが、人がごろごろ死ぬことさえ、即席で笑いにできるこの人は本当に凄い。やっぱり映画監督・北野武はお笑い界の奇才・ビートたけしでもあるわけで。彼が「世界のキタノ」と呼ばれ、愛される理由はこういうセンスにあるんだろうなとしみじみ思った。無論、穏やかな死の映画「おくりびと」のほうが私の肌には合いますが、ね。
よーちーさん [映画館(邦画)] 7点(2010-06-13 23:51:54)
よーちー さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2015-08-23小野寺の弟・小野寺の姉7レビュー5.75点
ルームメイト(1992)7レビュー6.25点
2015-05-03ある過去の行方8レビュー6.88点
2015-05-03風立ちぬ(2013)5レビュー6.54点
2015-05-03おみおくりの作法9レビュー7.40点
2015-05-03バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)8レビュー6.35点
2015-03-076才のボクが、大人になるまで。6レビュー7.02点
2015-03-07味園ユニバース5レビュー6.00点
2014-01-23ペコロスの母に会いに行く9レビュー6.76点
2014-01-23ゼロ・グラビティ8レビュー7.64点
アウトレイジ(2010)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS