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レビュー情報
ロシア人監督、ニキータ・ミハルコフによる1994年の作品。
主要人物“コトフ大佐”を監督自らが演じ、その娘役も監督の実の娘が演じた。 最初はその事実を知らないで観たので、父娘の自然で爽やかな演技に驚いたが、実の父娘なら確かにうなずける。 これがもし赤の他人同士だったら、この娘役を演じた天才子役にさぞ驚いたであろう。 しかし、それを考慮に入れたとしても、この子役の演技は素晴らしかった。 自分の中では、『ミツバチのささやき(1973)』や『都会のアリス(1973)』の子役に並ぶ、“ベスト オブ 天才子役”となった。 ストーリーが仮にどうであったとしても、この子役と父とのやりとりを観ているだけで、感動したに違いない。 尺についてだが、136分と少し長め。 しかも前半部分は、後半の悲劇との対象性を強調するが為に、村の穏やかで平和な日常をかなり時間をかけて描いている。 その為、観ていて少し退屈になってしまった。 ただ中盤からは、どんどん話に吸い込まれいった。 後半の悲劇性を体現する上で、前半の演出は必要だったのかもしれないが、後半が良かっただけに少しもったいないと私は感じた。 全体的にもう少しコンパクトなら、みんなに堂々と勧められる名作だったのだが、全体の長さがかなり観る者を選んでしまうだろう。 ゆっくりとした展開と130分を超える尺が気にならない「戦争悲劇・ヒューマン・ラブストーリー好き」の方に向いている作品だ。 それにしても、「平和な雰囲気」の前半部分と、「戦争の残酷さとシビアさを描いた」後半部分とのコントラストが衝撃的だった。 娘の知らない大人(戦争)の世界では、恨み辛みの中で悲劇が交錯する。 しかし、娘の目にはそこに登場する人々は悪人の様には映らないし、その裏で渦巻く悲劇など知る由もない。 その“陰と陽”、“裏と表”をうまく描ききった監督の手腕には驚きだ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-01 20:43:33)(良:1票)
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