恋の罪 の Balrog さんのクチコミ・感想

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恋の罪 の Balrog さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 恋の罪
製作国
上映時間144分
劇場公開日 2011-11-12
ジャンルホラー,サスペンス,犯罪もの,ミステリー,エロティック
レビュー情報
《ネタバレ》 「愛のむきだし」を2009年のベストに挙げるほど園にやられた私としては相当期待していた作品であったため、ハードルがあがりすぎてしまったのだろうか。一言でいえばAVのような映画だった。書いている私自身が男であるという視点の限界は、ここで描かれている女性たちに、「女性として」共感することができないということである。しかしそれは私に留まらず、園自身にもあてはまるのではないだろうか?そこがひとつ、私としてはいまひとつこの映画に乗れなかった理由である。細かいところでは面白い撮り方や相変わらず強烈な禍々しさ、毒々しさがあるのだが(特にあのおばあちゃん)、「城」や「肉体を持つ言葉」の比喩はあまりにも幼稚というか、安易だろう。いずみが客に馬乗りになり、詩を暗誦するシーンは「愛のむきだし」を思い出しニヤリとさせられたが、満島ひかりがコリント書を圧倒的な迫力で吐き出すあの「身体性」には遠く及ばないだろう。そして説明的、より悪くいえばクサい演出が相当に多い。過剰な演出は園の特徴だが、正直ここまで説明的な映画はこれまで無かったように思う。詩の解説などくだらないことはやめて映像で表現してもらいたかったものだ。また、吉田の最後のシーンは完全に不要だろう。前半に出てきた小話を再現させるとは「いかにも」な演出。そして「ノルウェイの森」を思い出させるような「居場所がわからない」というラスト。後輩刑事が言ったように、あそこで彼女がこれまでのぼーっと生きてきた人生を思い返しているとでもいいたいのだろうか? そんな説明的な描写はかえって興ざめである。ところで映画のタイトルは「恋の罪」であり、guilty of romanceである。愛の罪ではない。ということはどこか抑圧されてきた女性たちが恋(のようなもの)に衝動的にのめりこんでいくというのがこの映画の主題だろう。ただし恋が目指しているものが何かは、彼女たちには、そして私たちにも分からない。少なくともそれは愛ではないことだけは確かだ。「不思議なことに、ただでやらせる女より、金をもらってやらせる女の方を男は軽蔑する」というような独白があったが、これにはハッとさせられた。なぜかと考えたが、それは金が介在していなければ、そこに愛が存在すると錯覚するからだろう。あるいは実際に愛が存在するのかもしれない。その僅かな望みに、あるいは幻想に男は憑かれている。
Balrogさん [映画館(邦画)] 6点(2011-11-29 23:47:49)
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投稿日付邦題コメント平均点
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2014-07-15ラ・パロマ10レビュー10.00点
2014-01-17Seventh Code9レビュー4.85点
2013-09-29そして父になる6レビュー7.10点
2013-09-21007/スカイフォール7レビュー6.50点
2013-09-16わたしはロランス8レビュー7.42点
2013-09-16アワーミュージック7レビュー7.27点
2013-09-14許されざる者(2013)4レビュー5.48点
2013-09-10オン・ザ・ロード(2012)6レビュー6.00点
2013-09-08サイド・エフェクト7レビュー6.94点
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