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《ネタバレ》 10数年前の初見時はかなり良かったと感じたのだが、今見直すと無理がありすぎるなと思ってしまった。血のついたシャツを紙吹雪のように電車からまく→新聞記者がたまたま目撃して記事にする→刑事がそれをシャツじゃないかと直感→事件からかなりの日数がたっているのにシャツの切れ端を発見→新聞記者は偶然紙吹雪をまいた女性とであっており勤め先も判明・・・そんなあほなと言いたくなる。大体、なぜ血のついたシャツの処理をわざわざ自分の情婦に頼む必要がある?自分で簡単に処理できるのでは?犯人の少年時代しか知らない被害者が大人になった写真をちらっと見ただけで気づくというのもなあ。ミステリーとしてみたら無理な偶然が多すぎる(原作未見だがどんなふうに描写されているんだろう)。後半1時間の回想シーンはさすがに素晴らしいと思うが、加藤嘉なしでは成立しない映画であるとも思う。ところで、タイトルの砂の器、ふとしたきっかけで栄光が簡単に崩壊する人生の脆さ、儚さを表現しているという解釈が一般的なのかもしれないが、私は、見た目がどんなに立派であっても砂で作られた器では水を飲むことはできない、いかなる栄光の階段を昇ろうとも心の渇きを決して満たすことができない犯人の心情を表現していると解釈しています。
【陽炎】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-01-06 02:23:07)
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