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《ネタバレ》 歴史的傑作であった前作と同じ監督・ほとんど同じ出演者となれば、仮にその80%の出来としても充分おもしろい映画になると期待したが……。そうはならなかった。面白い/つまらんの二択を迫られたら、「つまらん」の方になっちゃうね。
理由の一つは悪役が、前作のジョーカーほどには魅力的でなかったこと。 もう一つは、こっちの方が大きいのだが、場面と場面のつながりが出来てなくて、見る上で何に注目すればいいか分からないことが多いこと。 野球に例えると、2アウトランナー1塁の場面があったとする。バッターがライト前ヒットを打つ。これで1・2塁か、あるいは1・3塁かと思ったら、ランナーは3塁を回ってホームに帰ってきた。実はそのバッターの2球目にランナーが盗塁をしていたが、その部分の映像がカットされていたのである。 もし観客が「ランナー2塁」と分かっていれば、シングルヒットが出た時点で点が入るかどうかを緊張して見守ったはずだ。ところが知らないから、あくまで長打が出るかどうかだけに注意していた。いわばその部分の緊張感を「損させられた」のである。 こういう風にダークナイト・ライジングは、何がどうしてこうなり、この場面の一番注目すべき点はこれだ、と思わせる展開のスムーズさが欠けている。 アクションはすごい。しかし、個々の場面はバラバラだ。大きな期待をしていただけに、極めて無念である。 ラスト、ウェインが死んでいたら駄作とまで思ったかもしれん。人の死をドラマ性を盛り上げることに使うのは、大嫌いだ。自動操縦の伏線も生きたし、良い結末です。 あ、そうだ。核爆弾が沖で爆発して一安心、てのはやっぱり、被爆国とは核兵器に対するリアリティの持ち方が違うのかなと感じた。風下には恐ろしい量の放射能が降り注ぎ、地獄が現出する。 【佐吉】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-08-04 11:31:52)(良:1票)
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