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石神は数学だけに熱中していれば、こんな事件に巻き込まれることはなかった。だが彼は、愛を知った。人のために泣ける心を持ち、自分のために泣いてくれる人を得たとき、彼はより人間らしくなれたのだろう。
「愛」は本来、あまりいい意味の言葉ではなかった。仏教用語では「渇愛」といい、執着する心を指す。彼が人を愛し、その人のために尽くしたいと思うとき、同時に他人には信じられないほど薄情になれる。人の愛とは、そうしたものなのだろう。 アダムとエバは、言いつけにそむき禁断の木の実を食べた。二人が最初にしたことは、不都合なものを隠蔽することだった。そして次にしたことは、嘘をついて欺くことだった。神はそれを赦さなかった。罪を犯した二人は、もう楽園には居られなくなった。 【高橋幸二】さん [地上波(邦画)] 9点(2022-09-29 23:31:16)(良:1票)
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