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ヴァンサン・カッセル率いるドーベルマン一味は、いくら警官だけしか殺してないと言っても、「いったい何人殺したんだよ!」と叫びたくなるほどの凶暴さで半端ないです。でも、みんなキャラが立ちまくっていて好きです。とくにヴァンサン・カッセルは、大物俳優の貫禄が目立つ最近のお姿と違って“個性だけで勝負”というそのハッチャケぶりで、若いころの本木雅弘を彷彿させるものがあります。モニカ・ベルッチのやり過ぎ感が濃厚のお下品演技も、もはや怪演の域に達しております。そして間違いなく怪演なのはチェッキー・カリョで、このサディスト刑事のおかげでドーベルマンが正義の義賊みたいな印象すら与えてくれます。強烈な印象というか世界観を感じさせてくれるのがドーベルマン一味と警察が死闘を繰り広げるクラブのシークエンスで、このクラブが『キル・ビル』の青葉屋に通じるものがあるなと感じましたが、監督がタランティーノの崇拝者だと知って納得です。でもよく考えると本作の方が5年も早く撮られているわけで、ある意味でタランティーノに匹敵する感性をこの監督ヤン・クーネンは持っているといえるでしょう。この後にほとんど映画を撮ってないみたいなのは、残念です。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-04 22:50:17)
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