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《ネタバレ》 予備知識なくこの映画を観たら、最初はこのヒロインらしき女がボクサーになるなんておそらく想像だにできなかったでしょう。この映画ではとても感情移入できないどうしようもない登場人物ばかり出てきて、見続けるのがイヤになりそうなぐらい。そしてあの100円ショップの店、とても商売が成り立つとは到底思えないけど、店内に引っ切り無しに流れているお店のテーマソングだけは妙に頭に残ります。前半は安藤サクラのぶよぶよの肉体に合わせた様なグダグダな人間模様を、音楽も使わないでダラダラと見せられている様な感じが強烈。ところが男に逃げられボクシングに打ち込みだしてどんどん身体がスリムになってくると、それに合わせるように撮り方も引き締まって来て効果的に音楽も使われてきます。これはなかなかの手腕を持っている監督だと思います。もちろん安藤サクラあってのこの映画なわけですけど、それにしてもデ・ニーロばりの肉体改造と機敏なボクサーぶりは凄いの一言しかありません。会場に向かって通路を進むときの彼女のあの表情、こんな演技が出来るのは邦画界では彼女しかいません。「安藤サクラの顔つきは、ほんとに人を殺しかねない表情だ」という本作の映画評を見た記憶がありますが、まさにその通りです。 唯一残念だったのは、新井浩文は良いとしても両親や妹まで試合を観に来させたところで、これで一気にこの映画が持っているクールさが減じられてしまった気がします。そこは1点マイナスとさせていただきます。
【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-26 23:41:37)
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