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《ネタバレ》 バードマン≒バットマン、これはもうマイケル・キートンのセルフパロディとしか思えない、もっともバードマンとは違ってキートンは2回しかバットマンを演じてませんけどね。キートンありきで書かれたこの脚本ということは、彼にとってバットマンだったことは黒歴史だったということ何でしょうか。 イニャリトゥなどの最近のメキシコ三羽烏はワンカット風撮影がほんと好きですけど、本作では初めて自分は酔いそうになりました。とくにほとんどの舞台が劇場内の狭い空間なので余計しんどかったです。監督の意図はどうなんだか知らんけど、自分にはこの映画のテーマは映画界=ハリウッドと演劇界=ブロードウェイの、お互いにマウントを獲り合う醜い争いであるような気がしています。別に下北沢に通ったことはないけど、個人的にはとくに日本の演劇界も鼻持ちならない界隈みたいで似たような感じだなと思っています、まあ日本映画界もたいがいですけどね。婆あと言っていい様なおばさん批評家が権力を持っていて、キートンの芝居を観ようともせずに映画スターとハリウッドに対する個人的な反感だけで「明日の記事で酷評して打ち切りにしてやる」と宣う、もうこりゃいじめですやん。面白いところは主役兼脚本のキートンとこのおばさん批評家はどちらもSNSとは無縁のアナログ人種で、おばさんに至ってはメモ帳みたいなものに手書きでせっせと記事を書いている。ところが娘のエマ・ストーンを通じて見せつけられるリアルでは、ブリーフ姿でブロードウェイを彷徨うキートンの動画があっという間に300万再生を超えて不振だったチケットが爆売れしてしまう。つまりハリウッドだブロードウェイだといがみあっていてもどちらもオワコンになりかけてるんだよ、と監督のイニャリトウは皮肉っているんじゃないかな。 一度観ただけでは情報量も多くて深いところまで理解しにくい作品であることは確かです。でもイニャリトゥはやがて“21世紀のフェリーニ”と呼ばれるようになるかもしれません。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-21 22:58:41)
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