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まあ、本道の娯楽映画ですな。確かに、最近こういう映画がなくなっていることを改めて思いださせてくれる作品でした。でも、オリジナル(未見)がどうこうというのは全く別として、やっぱり「なんで織田裕二なの?」と思ってしまう。織田裕二じゃ世間の好き嫌いがはっきり分かれてしまうでしょ。そして嫌いの方がたぶん多いでしょ。黒澤のリメイクで、角川春樹の製作で、主演織田じゃ、最初からハンデ負いすぎでしょ。批判の嵐は覚悟の上なんでしょうね。これだけのハンデを考慮すれば、よく頑張った作品なのでしょう。豊悦はいいな。画面にいるだけでちょっと緊張感が生まれる。ストーリー、脚本は確かに映画の教科書といったできだね。主役、敵役、道化的に物語を進めていく若侍、茶室の小悪人、リズムの緩急をつける母娘、役割がはっきりしていてわかりやすい。それと押入れ侍、これがいかにもうまいよね。 起承転結もしっかりしている。でも、そもそも、城代家老を拘束した悪人達が自分らの罪を城代家老に認めさせようとするなんて設定が破たんしているし(家老を殺してから証拠をでっち上げるってのが普通のストーリーでしょ)、それ以前に、藩上層部の悪行を訴えに来た若侍をできる人物と評される城代家老がみすみす張本人の大目付のところへ行かせてしまうなんてありえないでしょう。あと、切れ者という設定の室戸もちょっと間抜けすぎるよね。素性のわからない浪人にいきなり手の内をベラベラしゃべったり、一人だけ生き残ったことにも疑問を持たないなんて不自然きわまりない。あと後半の椿の花は、もっと効果的に鮮やかに使ってほしかったな。まあ、結論としては、「普通におもしろい」位の映画でした。
【フラミンゴ】さん [地上波(邦画)] 5点(2009-01-07 18:51:19)
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