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《ネタバレ》 この映画が成功した理由は、ドキュメンタリー・タッチを採用したことでしょう。英米仏独偏ることなく、時間の流れに沿ってそれぞれの動きを客観的に描く。戦争というのがどういうものなのか、その一端を理解するには、それだけで十分なのです。とはいえ、ノルマンディー上陸作戦を題材に選んでいるところをみても、アメリカ主導であることはわかるのですが、そういうことが気にならない配分がなされていると思います。
単なるエピソードの羅列なので、冗長に流れるかと思いますが、見ていてどんどん引き込まれます。まさに「事実は小説よりも奇なり」、単なる事実であっても、戦争という特異な状況下にあっては、十分ドラマチックな場面が続いて目が離せなくなります。これもまた、本作の優秀さを示していると思います。また、大量のエキストラを投入した長回しの戦闘場面は、やはりすばらしいです。 欠点としては、ナレーションなどによる状況説明が全くなく、ある程度第二次世界大戦についての知識が必要とされることでしょうか。そもそもなぜノルマンディー上陸作戦が行われたのか、その理由すら映画中では説明されていません。なお、戦闘場面ばかりでしんどいという意見もあるようですが、これは戦争を描く映画ですから、むしろ戦闘が続くのが当然でしょう。これが戦争というものなのです。 そう、戦争反対を主張するのもいいですが、その前に戦争とはどういうものなのか、それがわかっていなければ話になりません。戦争の現実を知るには、たとえば本作を見るのがよいでしょう。それでこそ戦争の非情さ・悲惨さがわかろうというものです。それでも、現実のものとして実感するのは、現代日本人にはかなり困難なことだとは思いますが。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-18 22:39:59)
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