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《ネタバレ》 どうしても『サウンド・オブ・ミュージック』と比較してしまいますが、こちらも遜色はありません。大佐が子供たちを笛で呼んだり、古いカーテンで服を作ったりするエピソードが共通していて、どこが実際の話だったのかがわかって興味深いです。後半で屋敷をホテルにしたり、オーストリア脱出の祭の執事の行動などが印象深い。しかしもっとも感動的だったのがラスト。アメリカで入国待ちをしている時、シューベルトの「菩提樹」を歌うと、みんながその声に引き寄せられて集まってくる。アメリカ人の係員もやって来る。まさに歌の力、音楽の力を実感させる名場面です。またその歌声がたいへん美しく、話の流れに説得力を与えています。ちなみに「菩提樹」の最後の節は、かつて菩提樹の元にいた頃を回想して、“今はあそこから遠く離れているが、菩提樹の「ここはお前の憩う場所だ」と言う声が聞こえる”という内容です。まさに、ふるさとを離れたトラップ一家のことをを歌っていると言えましょう。実に心憎い、みごとな選曲です。それを知ってか知らずか、邦題に採用したのもよかったです。
【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-12 20:37:04)
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