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《ネタバレ》 たしか『ベンジー』に次いで、映画館で見た洋画第2作だったと記憶しています。それ以後テレビで二度ほど見ましたが、長らくごぶさた。久しぶりに見たら、以前とは印象がかなり異なりました。
始まって感じたのが、「なんでこんなに地味?」ということ。画的にも凝ったところはないし、ストーリーもよく言えばサクサクと、悪く言えばすっ飛ばして進行します。ベアーズのメンバーは、少々誇張はあるものの、どこにでもいそうな子供(ただし悪ガキ)で、もう少しマンガチックな作という記憶があったのですが、それは吹き替えでのアニメ声の影響でしょうか。画作りもむしろドキュメンタリーのような雰囲気があり、子供におもねっていないというか、実は子供向けの映画ではなかったんじゃないかと思ってしまいました。 見ごたえがあったのは、最後の決勝です。山あり谷ありでさすがにドラマチックな展開になるのですが、しかし演出はあくまでクールで写実的。ルーパスがフライをキャッチするところや、最後のケリーのホーム突入なども、もっと盛り上がるのかと思ったら、あっさり次に進んだのは驚きでした。やっぱりリアル重視という感じです。 さて、決勝で監督のバターメーカーとベアーズメンバーが不和となるのですが、それは結局、バターメーカーが自分のために必死になっていたからだと思うのです。最初の試合での大量失点、そして試合放棄。この屈辱に対し目にもの見せてやれという気持ちで、バターメーカは動いていたので、ベアーズのメンバーのためではなかったのですね。この不和の解決方法がすばらしい。子供たちは、ただ沈黙するのみ。そしてカメラは、その表情を丁寧に映し出します。それこそが実に雄弁に、見ているこちらの気持ちに突き刺さります。下手にセリフで説明せず観客に人物の気持ちを伝える。見ごたえのある、すぐれたシーンでした。思い出補正もあり10点ですが、決して身びいきでなく、愛すべき良い映画だと思います。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-02-22 22:41:49)(良:3票)
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