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《ネタバレ》 娘を嫁にやるという基本線はほかの小津作品と変わりませんが、時代を感じさせるところがあります。なんといっても女性が強い。息子の佐田啓二なんて、嫁さんの岡田茉莉子にぽんぽん言われてやり込められています。岩下志麻も、原節子が「お父さま」なんて言っていたのとは大違い。隔世の間があります。それと関係があるのか、嫁に出すまでが長い。娘はすぐに結婚する気はないようです。以前ならそれでも父親は早く結婚させようとしていましたが、本作では父もそれほど急いでいない様子。妻が亡くなっているということもあるのでしょうが、時代を感じさせます。
父親が積極的になる原因は恩師瓢箪先生にありますが、この先生のお言葉がすごい。曰く「結局のところ、人間は独りです」……。これが本作の最終的な結論であると思えてしかたがありません。本作は小津監督の遺作となりました。ご当人はまだまだ映画を撮るつもりだったのでしょうが、結果として最後となった映画のテーマが「人間なんて結局はひとりぼっち」というのは、文字通り筆舌に尽くしがたい感慨を抱きます。すごすぎます。参りました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-08 22:46:55)
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