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《ネタバレ》 初めにお断りしておきますが、私はスポーツにはまったく関心がありません。ただオリンピックの記録映画だということだけで、見てみました。
色々な競技を次々と映していくので、そういう点では平板で退屈になるときもありました。しかしそこを映像的な工夫で補助していて、全体としては飽きずに見ることができました。特に印象的だったのは、女子ハードルと自転車競技。前者の、全走者を正面から捉えたショット、後者の自転車を流した撮り方、共通しているのはカメラを固定しているということでしょうか。スポーツの場合どうしても競技者の動きに合わせてカメラも移動するのが常でしょうが、そこを逆手にとったあたりがよかったと思います。競技者以外の裏方を映しているのも、大会全体を見せるということで成功していました。個人的には、こちらをもっと紹介してもらいたかったほどです。また、マラソンの給水場では、先頭走者以外のさまざまな様子が見て取れて興味深かった。こうしたところも、この映画の長所でしょう。このように、なかなか面白い見どころのある作でした。 1964年といえばまだ東西陣営で争っていた時代ということで、それを緩和するイベントとしてオリンピックが成り立っていたと思います。それはスポーツの政治利用という面もありますが、近年のようにオリンピックの場であからさまにナショナリズムを掲げることはなく、むしろそれを隠すことによって緊張をほぐすという、ある種の上品さが伺えました。そういう時代の記録としても、この映画は価値があると思います。 昨今のオリンピックはもっぱら商業利用が目的のようですが、おかしなナショナリズムに利用されるならば、むしろそちらの方が健全ではないかと思ってしまいます。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-03 17:29:25)(良:1票)
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