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《ネタバレ》 これ、評価が難しいんですよね。たしかに「刑事の指紋が証拠」というラストは面白い。しかしそれ以上に重要だと思うのは、「犯人の計画が最後まで完結しない」というところです。これまでのシリーズでは、犯人の計画は終了して、以降コロンボとの対決に集中するわけですが、本作ではそれが平行して描かれます。さらにその計画が、視聴者には明らかにされていない。途中で「犯人はコレクションを相続できない」ということがわかり、見ているこちらに一旦しょい投げを食わせたうえで、叔母に罪をなすりつけるという計画を明確にさせるのは、効果的です。
ただそれにしては、構成に破綻があります。コロンボの指紋がつくプロセスが、うまくいきすぎてご都合主義に思えます。そもそもコロンボが犯人宅に入れたのは、うまく鍵を取り上げた結果ですが、これは犯人がコロンボに乗せられすぎという印象を持ちました。最後の家宅捜索も同様。コロンボのもくろみが当たりすぎて面白味が少ない。ドガの絵を盗んだのも、もともとエドナに罪を着せるつもりだったと思うのですが、あの展開ではコロンボに「絵が出てこないことにはなんともならない」と言われて、あわてて発見させたようで、絵を盗んだ目的が曖昧になってしまっています。繰り返しますが、犯人がコロンボの思うように動きすぎてご都合主義の展開に思えますし、犯人としても魅力が感じられません。話のアイデアとしてはいいと思うのですが、あまりうまく生かせなかったと思います。けっこうユーモアの要素があったのはよかったです。そのためキム・ハンターの大げさな演技も浮いていません。 【アングロファイル】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-04-27 08:38:42)
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