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《ネタバレ》 一人の監督によるオムニバスですが、それぞれの長さがだんだん長くなっています。見やすく工夫されています。全体として光というか「灯り」を生かした演出が印象的で、特に第1話での提灯の使い方などうまいと思いました。アップと引きの使い分けもよかったです。第2話では動きのあるカメラで、変化をつけています。
内容的には、主人公がいずれも「行き詰まった状態にある女性」であることが共通していますね。その行き詰まりに変化を与えるのは、いずれも男性。女性一人ではにっちもさっちもいかないというのが、時代を感じさせます。もっとも変化といっても、事態が好転するわけではありません。第1話のせきは結局現状に堪え忍んで生きてゆかねばならないでしょうし、第3話に至っては心中で幕を閉じます。第2話は一応ハッピーエンドのように思われますが、伯父さんの借金はまだまだ残っていますし、問題を先延ばししたにすぎません。それでもこれが一番人気があるのは、将来に対する希望を感じさせるからでしょう。私も第2話がもっとも気に入りました。 原作は読んでいませんが、当時女性が置かれていた立場、それに対する樋口一葉の考えなどをきちんとすくい取って、ていねいに映像化したという印象を受けます。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-02 07:41:11)
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