ランナウェイズ の keiji さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ラ行
 > ランナウェイズ
 > keijiさんのレビュー
ランナウェイズ の keiji さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ランナウェイズ
製作国
上映時間106分
劇場公開日 2011-03-12
ジャンルドラマ,青春もの,音楽もの
レビュー情報
 とても楽しい作品だった。Runaways の事実に則した演出などというのは適当に放棄していて、まあ基本はCherie Currie を主人公としての「ロック業界の虚飾」のなかで崩壊する精神という、誰でもが聴いたことがあったり想像することもできるあたりの着地点で、Cherie Currie の家族関係の描写あたりはそれなりにきちんとやっているわけだけど、Runaways というバンドの歴史なんて、ポイントポイントを押さえているだけで、そんなにち密なものではない。それで、この演出がいいのは、そういうストーリーとしてバンドのユニークさを語ろうとするのではなく、もうバンドの歴史なんか類型のなかに押しこめてしまって、ヴィジュアルでもって何かを語らしめようという演出姿勢がいい、ということになる。Kim Fowley なんかの描写もかなり類型化して、商売人としての側面をおもてに出しているあたり、正解だと思う。トレーラーでのバンドの特訓、彼女たちのステージ、そして圧巻の日本でのライヴ、その後の分裂への道をしめす混乱のレコーディング風景と、つまりはアラン・パーカーの「ザ・コミットメンツ」と同じような展開(かなり参考にしていると思う)なのだけれど、「じっさいがどうだったのかなんて追求したってしょうがない」といっている感じ。ライヴの映像のカメラとか、彼女たちのバンドの規模にあわせたというか、あまりパースペクティヴを効かせずに、それでもいい効果を出していたと思う。わたしは楽しめた。■この映画でここ、というシーンを書けば、彼女たちの日本でのステージの冒頭のシーンで、ダコタ・ファニングの演じるCherie Currie が、そのはいている高いヒールで床にちらばるドラッグの錠剤を踏み砕き、床に突っ伏してその飛び散ったかけらを舐め取ってから起き上がり、歌いはじめる場面こそ、であって、その場面でこそCherie Currie の音楽に賭けた根性をおもてに出すと同時に、ダコタ・ファニングという女優がその、もう子役ではないのだという女優根性を見せつけるわけになる。演出もいい。■欲をいえば、バンド解散後恵まれず、多くのミュージシャンのレスペクトを集めながら近年亡くなったドラマーのSandy West に対して、もうちょっとレスペクトがあってもよかったような気はした。
keijiさん [映画館(字幕)] 7点(2011-04-15 11:35:25)(良:1票)
keiji さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-11-22シャイニング(1980)9レビュー7.38点
第三の男9レビュー7.54点
2014-07-05チャイナタウン9レビュー7.07点
2014-02-23父ありき7レビュー7.20点
2014-02-14扉をたたく人6レビュー7.24点
2014-02-11かぐや姫の物語2レビュー7.17点
2014-01-17カプリコン・17レビュー7.17点
2014-01-03アルゴ8レビュー7.14点
2013-12-29三十四丁目の奇蹟(1947)1レビュー7.48点
2013-12-13残菊物語(1939)10レビュー8.88点
ランナウェイズのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS