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この時代のウディ・アレンの軽薄さ、ごう慢さ、ひとりよがりを端的にあらわした映画。マーティン・ランドーのストーリーはともかくとして、自分が演じる「良心的であるがゆえに売れない映画監督」と、「軽薄でごう慢なTVディレクター」のストーリーで、いったいなにゆえに映画監督側を「可」と判断し、TVディレクターを「不可」と判断するのか。陰でコソコソとディレクターの悪口ばかりを云い、そのディレクターの映像にムッソリーニの映像を重ねるという悪趣味をしでかしている(この演出は、ムッソリーニはファシストで歴史上の「悪」であるという定説にしたがっているだけで、映画的に何らすぐれた演出などではない)のは誰か。「愛」がどうのこうのと説く教授(この教授の説がまたくだらない)を取材さえしていれば「良心的」と言えるのならば驚きだ。ミア・ファローの選択はおそらく正しい。この映画こそが「軽薄」そのものの例証。パーティーが大好きな人間など、こんなものだろう。スヴェン・ニクヴィストの美しい撮影が空しい。
【keiji】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2010-03-09 18:03:26)
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