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《ネタバレ》 ●タイトル・ロールのクロムウェルを演じるのがリチャード・ハリスで、対するチャールズ一世をアレック・ギネスがやっている。ドラマはほとんどこのふたりの対決の歳月を描くかたちで、大河ドラマのように進行する。リチャード・ハリスの「剛」に対してアレック・ギネスの「柔」と、わかりやすい描き分けをやっているんだけれども、アレック・ギネスの演技もあって、チャールズ一世の方により人間らしさを感じざるを得ないところはある。このチャールズ一世の王妃の造型がちょっとばかし「マクベス夫人」で、脚本もぜんたいにシェイクスピアばりの史劇を目指していただろうことがうかがえる。圧巻は二度の戦闘シーンで、まずはかなり牧歌的な雰囲気の「エッジヒルの戦い」のパースペクティヴの効いた演出があり、そんな甘っちょろいのではダメだ、とばかりにハードにせまる「ネイズビーの戦い」の迫力はそうとうなもので、わたしは堪能した。●ただ、ここでクロムウェルは圧倒的な理想主義者として描かれ、現実とのギャップのなかで苦悩しながらの選択を強いられるとするわけだけれども、ここでクロムウェルの演出のイメージとしての「剛」ということとのそしゃくがあんまりよろしくないというか、リチャード・ハリスはたしかに熱演でいいのだけれども、ちょっとばかしその演技、そして演出が一面的にすぎるというのか、どうもわかったようなわからないような、それでいいのか、というような気分にさせられてしまうことはたしかなのである。この演出でいけばファシストも英雄になってしまう。そういう感覚は抱いてしまうわけである。
【keiji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-05 13:14:46)
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