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非常に地味な映画です。地味が故に監督の手腕が問われます。その難問をベネット・ミラーは見事にクリアしてくれた。淡々と物語が進む中にきっちりと登場人物たちの内面を、丁寧に丁寧に、これでもかというくらい丁寧に描ききった。なのでどっぷりと感情移入することができ、常に緊迫感を維持しながら鑑賞することが出来た。ジョン・デュポンを演じたスティーヴ・カレル。どこを見ているのかよく分からない生気のない視線はとても印象深く、まるで機械人形のようだ。おかげでラストの発砲にいたるまで気が抜けませんでした。ほんと、見事な演技には脱帽です。ジョン・デュポンという人物ですが、彼が抱えていた闇は、多くの人達の中にあるものだと思う。他人事ではなく、写鏡のようで正直怖くなりました。明日は我が身かと。偉大な兄の存在にジレンマを抱えるマークもまた、他人事ではなかったです。この映画は非常に地味で、観る人によって評価は分かれると思います。ただ私は登場人物たちと怖いくらいシンクロ出来てしまったので、この点数を付けました。あと、テーマ曲のピアノの旋律も淡々としていて効果倍増でしたね。
【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-10-25 08:34:39)
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