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《ネタバレ》 実話が元ネタとはいえ、敵国のスパイを弁護するなんて、こんな話食指が動かないわけがない。さらに言えば監督がスピルバーグで脚本がコーエン兄弟。んでもって主演がトム・ハンクス。いったいどんだけ食指を動かさせるんだよ。なので観る前から期待値はかなりMAX状態でした。で観た感想はというと、うん面白かったです。スピルバーグのこだわりも随所に見れたし、緊迫感ある演出もなかなかでした。ただこの映画はアレですね、トム・ハンクスを正義の味方的に捉えちゃうとダメですね。私は始まってからかなりの時間そう勘違いしちゃってました。だからなぜそこまで若い学生にこだわるのか今ひとつ理解に苦しみました。でもその苦しみも急にぱっとなくなり、あぁそっか~、と晴れ晴れしくなりました。トム・ハンクス演じる弁護士は、ただ単に仕事バカな人間なだけだったんです。バスで10人けが人が出てもその事故を一つの案件と捉え、10人分の保険料ではなく1件分の保険料しか保証しないと主張する。そんな男。そんな男だからパイロットも学生も一つの案件として捉えたんでしょう。ソ連のスパイの男もこれまた絵に描いたような仕事バカ。ただただ任務に忠実なだけ。だから弁護士との間に、敵味方を超越した信頼関係が芽生えたのでしょう。この映画は与えられた仕事を最後までやりきった男の話です。と言っちゃうとなんだか拍子抜けですよね。確かに間違ってはいないけど、冷戦という背景があることで単純ではない重みが増している。いつ本格的な戦争が起きるか分からない状況下での駆け引きは、正直法廷の何十、何百倍もの緊迫感がある。そこがこの映画の醍醐味。ただなぁ~、実話だから仕方ないんだろうけど、弁護士の悪戦苦闘さが少々物足りなくも思えたのも事実です。うまくいきすぎ感が感動へと昇華しきれないんですよ。なので7点止まりです。ソ連のスパイを演じたマーク・ライランス。ここ最近で一番、すっげぇーと感じさせてくれた役者さんでした。マジ素晴らしすぎ!
【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-08 17:22:20)(良:1票)
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