| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 実はこの映画、めっちゃ重たいテーマを投げかけています。監督が意図したかは分かりませんが、いわゆる、戦場写真についての論争です。主人公は中学生の時にたまたま目にした1枚の写真に心を奪われ、カメラマンを志します。その写真がロバート・キャパが撮った戦場写真。やがて主人公は念願かなってカメラマンとなります。しかし戦場へ行くことはなく、芸能人のケツを追いかけるパパラッチへと成り果てる。中学生の時に自分の運命を変えたような写真を撮るこなく、日々下世話な写真を撮り続ける。ところが皮肉にも、親友の手によって彼自身がまるで戦場写真の中の兵士、死にゆく兵士のごとく被写体となってしまう。
問題はここから。倫理観・道徳観・モラルや秩序、とにかく人としての采配が試されます。人の、それも同じ仲間、恋人、友人の死の瞬間をとらえた1枚の写真。その写真を報道するのかしないのか。プロの仕事人なら当然報道して当たり前。この映画も結局はそこに落ち着きます。 でもそれで良かったんでしょうか。なんか越えてはいけない壁を越えてしまったような気がするんです。きっとあの編集部はもう何も怖いものなしでしょう。怖いものがないことほど怖いものはない。歯止めがきかなくなっていきます。 この衝撃的な1枚の写真に対しての扱い方がゆるい。もっと鋭くえぐってくれれば良かったのに。でもそうすると作風が変わっちゃうんですよね。勿体ないです。 二階堂ふみのキャスティングは良い。マッチしていた。ただ演技力は、別の話です(笑) 【Dream kerokero】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-04-20 21:58:54)(良:1票)
Dream kerokero さんの 最近のクチコミ・感想
|