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とても寡黙なので観る者が細部を想像力で補わなければならないストーリーは親切ではないのですが、話の流れを追うより画の余韻を味わうべき作品です。元カメラマンという肩書も納得の監督の美的センスが1シーン1シーンに反映され、女優の裸体の美しさや机の前にただ座っているだけのG・クルーニーのショットすら西洋絵画のようです。
小高い丘に石造りの建物が並ぶイタリアはカステル・デル・モンテのロケーション力は抜群ですし、銃を改造あるいは組み立てる時の手さばきは熟練の技術の粋とも言え、もう「画のチカラ」で引っ張ってくれます。 ただキャスティング。ジョージ・クルーニーは評価しづらいです。どこまでもヨーロピアンな香りの本作に、いつも歯痛をかかえていそうな単なる仏頂面のクルーニー。もともと表情に奥行きの無い表層タイプの彼はあからさまに「アメリカ人」なのですが、考えてみれば原題はThe Americanですし、ここはクルーニーで正解なのかな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-29 22:57:58)
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