| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 街そのものがファンタジーとなり得る、それは世界中探してもパリほどふさわしい場所は無いと思っちゃう。なんとしっとりと美しい芸術賛歌な街であることか。都市のかたちと建造物の圧倒的な美。悔しいなあ。
そこに繰り広がる人間ドラマの配役も実に絶妙。パリの盲目的信者の作家に典型的なアメリカン娘である婚約者。その父はバリバリの共和党支持者で 知識人を鼻にかけるうっとうしい知人も登場。ヨーロピアン的な情緒とアメリカンなざっくり文化との対比がくっきり現われて面白い。 過去の偉人たちに薫陶を受けて、そのうえで現実へと戻ることを選択する結末は人生の円熟期に入ったアレンの出した結論のように思えて興味深い。 非現実のファンタジーに心を酔わせるプロットは「カイロの紫のバラ」にも似るけど、なんだか苦味ばかりが残る30年前の作に比べると 今作はずっと優しく前向きで、監督自身が円みを増したかのようで私はこちらの方が大好きだ。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-23 00:12:03)(良:1票)
tottoko さんの 最近のクチコミ・感想
|