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《ネタバレ》 映画作品だけれど能の世界のようでもあり、独特の雰囲気は原典シェイクスピアの舞台劇と通底するものがあるのかな。いつもより大きな芝居の三船敏郎に、それこそ面を被っているような山田五十鈴。
心の奥底にあるモノを「言葉」にして表されると、人は絡めとられてしまうものなのですね。“物の怪”の予言にすっかり支配された鷲津と三木。正常な思考を持っていたのは三木の息子のみ。曰く「自分から進んで予言通りに事を行い、予言が当たったと思っている」。しかし息子の金言も親父には届かず、馬一頭逃げ帰ってきたことで三木親子の凶事が判るシーンは簡潔ながらも「ああやはり?」とぞくっとしました。 確かに無くはなかった権力への野望。それを唆す化け物は、森で出会わずとも身近なところに妻という形でいたのです。鷲津はツイてなかった。 初めこそ凛々しい武者顔だった三船が憑かれたように形相を変えてゆく姿が酷く、印象的です。 本家シェイクスピアの舞台劇は観ていないけど黒澤の蜘蛛巣城は観た、ということで単位をもらえそうな気がしますよね。見事な黒澤版マクベスでした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-23 23:19:40)(良:1票)
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