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《ネタバレ》 何でオオカミ男でなければならないのか、と見る前から思っていたが、見た後も疑問は解消されなかった。別にハエ男でもいいだろうと言っているのではなく、子どもの成長と巣立ちに対する親の思いを描くなら にんげんおとこ、にんげんこどもでも当然可能だということである。もちろんファンタジックなアニメだからこそ見る気にもなり、それでこそ可能な映像表現もあるわけなので荒唐無稽なのは構わないが、全体のテーマとの関係では必然性のない浮いたアイデアのように思われた。これは時かけ、サマーウォーズとの比較でもそう思う。
またこの映画の内容だと、子連れの観客のうち母親にはアピールするだろう(何しろ受精の場面からある)が、子どもが面白がるかは不明だし、また従来のファン層と思われる青少年(男)は置き去りにされかねず、アニメ大作としては妙にバランスが悪い気がする。それでよければ別にいいのだが、前作までは作り手も観客も青少年(男)向けの映画という意識で一致していたのに、今回は背伸びして柄にもなく子育ての問題を扱ってみた、という感じで落ち着かない気分だった。 いずれも本筋から外れたことで申し訳ないが、どうも全体として釈然としない感覚が残り、また少し時間が経つと、見ているときにペンディングしていた細かい疑問点が山のように積み重なっていることにも気づく。ここで高評価の皆さんが書かれていることにも同感ではあるが、納得できないことを見過ごしにしたままで絶賛しようという気にはなれない。 【かっぱ堰】さん [映画館(邦画)] 5点(2012-08-11 17:33:59)
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