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《ネタバレ》 まずは劇中劇の「鮮血の呼び声」などという陳腐な題名を誰がつけたのかと思うわけだが、中身は実在の「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリ(1560~1614)をもとにした話だったようで、そういう背景をくどく説明しない態度は悪くない。
しかしホラー映画としては人形が人を襲うという設定を生かせておらず、立って歩いて来るなら逆に近づくまでは危険がないのだろうから、近接する前に蹴り飛ばしてしまえば簡単ではないか、という方に考えが行ってしまう。だいたいこういうモンスター的なものを出せば済むと思っているのは呆れるしかなく、終盤、舞台の上で騒いでいたあたりは面倒くさくなって早く決着をつけろという気分だった またドラマ的にも話が薄く必然性のない展開で心に訴えるものもない。特に問題なのは主人公が本物のバカに見えることで、「人形が」で台詞を止めることに何かこだわりでもあったのか。そもそも何を言ったところで中止するはずないのだから放っておけばいいだろうがとしか思われず、足立梨花さんには申し訳ないが、人々の死に特に悲哀を感じるようなこともない。 あえて真面目に考えると、エリザベート・バートリや劇中の人形と同じように、他人のものを奪ってでも我を張り通して生き残れ、という芸能人向けのエールだったのかも知れないが、それにしても万人が共感するようなものではない。とりあえず個人的には、先日見た「劇場版 私立バカレア高校」(2012)の方がよほど娯楽としてまともにできている気がした。 余談として、この映画のように舞台の演出家が主演女優に個人的関係を要求するとか(先行例としては「リング0」)、アイドルが売り出しのために枕営業を強いられるとか(最近見た別映画)が多い気がして、演出家だけでなく映画監督とかプロデューサーとかの全部がもれなくこういうことをしているのだろうと思うようになってきたが、業界の立場としてはそう思われてもいいのか。自分には縁のない世界なのでどうでもいいが。 【かっぱ堰】さん [インターネット(邦画)] 3点(2018-09-16 08:54:59)
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