櫻の園(1990) の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > 櫻の園(1990)
 > かっぱ堰さんのレビュー
櫻の園(1990) の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 櫻の園(1990)
製作国
上映時間96分
劇場公開日 1990-11-03
ジャンルドラマ,青春もの,学園もの,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 [2020/4/11視聴] 6年前に一度見たが、その時は何を書けばいいかわからなかったので放置していた。今回見てもよくわからないが、とりあえず“変わるもの”と“変わらないもの”が表現されているかとは思った。
変わるものとは当然ながら劇中の高校生であり、この連中のこれから長い人生の中の、いわば一瞬の動態を捉えた映画に見える。また変わらないものの代表が桜であって、この桜にからめて中高年への反感を語る者もいたが、そのことで逆に自分らが変わっていく存在だということを意識させられていたようである。
劇中の学校では桜の開花と創立記念日(4/14)、及び演劇の上演がセットで“変わらないもの”として受け継がれてきていたが、ただし演劇も毎年の演出には違いが出るだろうし、さらにいえば桜の木にも寿命があるのでいずれは世代交代が必要になる。当然ながら全てのものが少しずつ変わるので、この映画で描かれたのも1990年(原作は80年代)の暫定状態ということになるが、ちなみにこの映画の高校生も現時点(2020年)では40代になっているはずなので、登場人物の「坂口」のような、もう自分を変えられない年寄りになり切ってしまわないよう気をつけた方がいい。
そのようなことをとりあえず今回は思った。

人物の描写では、古い映画なので時代がかって見える面がある。外見は普通に真面目な生徒が、冒頭いきなり見せるキスシーンなどは昭和の殻を破ろうとする思いがあったのだろうし、また女性の生理現象に関わる話題を出すのもこの時代なりの尖った表現のようで(原作由来だろうが)、そういう点も当時は評価されたかも知れないが、しかし今になれば逆に、昔の風潮としてはこうだったかも知れないというように見える。
またキャストに関して、現在の感覚と決定的に違うと思わされるのは、女子高の映画ながらいかにもな美少女がほとんど出ていないことである。最初から男役向きに見える演者もいたようで、最後の舞台も想定しながらのキャスティングだったかも知れない。主演女優は美少女とは程遠い容貌に見えたが、終盤のツーショットでは見違えるような魅力的な表情を見せていた。

ほか個人的な雑談として、今回たまたまこの時期にこの映画を見て、やはりどうも桜は人と無関係に勝手に咲くものだという思いが強くなった。以前から福島県富岡町の「夜ノ森」(よのもり)という場所に桜の名所があり、2011年の原発事故で住民がいなくなってからも春には咲いていたのを報道で見ていたが、今年はうちの桜の名所でも、もう満開なのに露店もなく人出もないのが不思議な感じで(ぼんぼりだけ出ている)、仮に人類が滅亡してもこの桜は咲き続けるのではという寂しい想像をしてしまった。しかし現実問題として桜まつりがないと地元も困るので、来年はちゃんと花見ができるようであってもらいたい。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 7点(2020-04-18 08:58:01)
かっぱ堰 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-20オクス駅お化け5レビュー4.66点
オンマ/呪縛6レビュー5.50点
2024-04-13リゾートバイト6レビュー6.20点
2024-04-13“それ”がいる森4レビュー3.20点
2024-04-13事故物件 恐い間取り6レビュー3.56点
2024-04-06モロッコ、彼女たちの朝5レビュー5.00点
2024-04-06ラフィキ:ふたりの夢5レビュー5.00点
2024-03-23ザ・デッド インディア6レビュー6.50点
2024-03-16FUNAN フナン7レビュー7.00点
2024-03-16シアター・プノンペン7レビュー7.00点
櫻の園(1990)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS