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若大将映画の魅力はいくつもあるが、何といっても飯田蝶子と有島一郎の掛け合いが一番だ。二人が出演していないシリーズ作品は滋味に欠け味気ない。飯田のおばあさんはハマリ役で、孫に対して絶対的に甘い祖母の姿を見事にデフォルメしている。学歴コンプレックスの息子を揶揄したり、時には騒動を起こすのもご愛嬌。
本作では後の“青春スター”黒沢年男や“エレキの神様”(というよりバニーズを率いた)寺内タケシなどの出演がうれしい。中でもビートルズをパロったジェリー藤尾の、列を組んで登場するシーンはユーモラスで面白い。 日光で雄一と澄子が「君といつまでも」をデュエットするシーンについて、「初めて聴いた歌なのに澄子が歌っているのはおかしい」と加山本人が話すのを何度かテレビで見た。一見不自然だが、自分としては「雄一が一度歌ってから澄子に教え、その後でデュエットした」と受け止め、素直に観ていたから何の違和感もなかった。監督の意図を思うと、澄子に歌を教える部分を入れていないが微妙に画面が切り替わっており、そこは観客の想像に任せデュエットにつなげたのだろう。文章でいえば「行間を読む」といったところかな。加山サン、不機嫌になることはなかったと思うよ。 ちなみに、劇中歌は「君といつまでも」より「夜空の星」の方が好きだ。弾厚作作品では「蒼い星くず」「白い砂の少女」「幻のアマリリア(殊に「ゴー!ゴー!若大将」バージョン)」が特に好きだなあ。 【風小僧】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-04-24 14:11:02)
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